「記憶の場」の形成と「歴史的環境」との関わりについて : 勝淵神社の柴田勝家兜埋納伝説を事例に

書誌事項

タイトル別名
  • 「 キオク ノ バ 」 ノ ケイセイ ト 「 レキシテキ カンキョウ 」 ト ノ カカワリ ニ ツイテ : マサル エン ジンジャ ノ シバタ カツイエ カブトマイノウデンセツ オ ジレイ ニ
  • A Study on the Relationship between a Formative Process of “Place of Memory” and “Historical Environment” : A Case Study on Shibata Katsuie Helmet Legend of Katsubuchi Shrine

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抄録

type:Article

近年、「集合的(集団的)記憶」の研究が注目されている。しかしその集合的記憶を想起させる「記憶の場」について、地域レベルで行われてきている伝承事象(=「伝説」)の形成過程や「歴史的環境」との関わりで論じた研究はない。そのため、都市部に位置する東京都三鷹市新川地区の勝淵神社に伝わる「柴田勝家兜埋納伝説」とその境域を事例に、地域社会の中で「記憶」の源泉となっていた「伝説」の形成過程や、現在、「記憶の場」として存在している場(サイト)が「歴史的環境」を形成している現状を考察した。その結果、勝淵神社には現存する記録史料の分析から柴田勝家の兜祭祀や兜埋納の「伝説」が江戸時代中期以降に成立し伝承されてきている状況や、「場の歴史性」とそこを「構成するモノ」によって勝淵神社境域が「歴史的環境」を形成している実態を明らかにし、「記憶の場」の形成・継承にあたっては「歴史的環境」の存在がそのイメージ化に大きな役割を果たしていることを指摘した。

収録刊行物

  • 現代福祉研究

    現代福祉研究 15 153-170, 2015-03-01

    法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会

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