児童の感情リテラシーの発達 : 感情表現に焦点を当てて

書誌事項

タイトル別名
  • The Development of Emotional Literacy on Children : Focusing on Emotional Expressions
  • ジドウ ノ カンジョウ リテラシー ノ ハッタツ : カンジョウ ヒョウゲン ニ ショウテン オ アテテ

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説明

児童を対象とした感情リテラシー研究では,年齢が上がるにつれて多くの感情ボキャブラリーを身につけるだけでなく,多様な表現で感情を表出することが示唆されてきた。しかし,年齢との関係も明確でないことや,対人場面を設定して,ポジティブな感情を喚起する場面やネガティブな感情を喚起する場面において,子ども達の感情表現が異なるのかを検討した研究はない。そのため本研究は,小学校 1~6年生の児童 513名を対象に,学年や性差,さらには状況(ネガティブな感情喚起,ポジティブな感情喚起)によって,子ども達の感情表現(感情ボキャブラリー,行動・状況への言及,欲求や要求表現,疑問表現)の数が異なるのかを明らかにした。その結果から,女児の方が男児よりもどのような感情表現でも言及数が多かったこと,1年生の言及数が他の学年と比較して少ないこと,2年生以降は感情の数自体は増えないが,5年生では疑問表現が多いなど学年によって感情の表現方法が異なることがわかった。さらに,ネガティブな状況ではポジティブな状況よりも全体的な言及数が多いことが明らかとなり,感情リテラシーについて興味深い知見を得ることができた。今後,なぜそのような結果になるのか考察を深める研究を重ねる必要がある。

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