自律と自立に基づく農山村の再生と再生可能エネルギー

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タイトル別名
  • Regeneration of Rural Areas and Renewable Energy through Self-Sufficiency and Autonomy
  • ジリツ ト ジリツ ニ モトズク ノウサンソン ノ サイセイ ト サイセイ カノウ エネルギー

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説明

和文:本農山村の衰退は近代化による都市と農山村の関係性の分断に起因するところが大きい。戦後わが国では地方・農山村の衰退を公共事業や地方交付税による再分配と都市部大企業による地方の従属化に基づく農家の兼業化によって経済上は糊塗し、「国土の均衡ある発展」を実現してきた。しかしながら2000年代の国による再分配の大幅削減とグローバル化による就労先の海外移転にともない地方・農山村は大きく疲弊させられ、コミュニティの崩壊のみならず地域資源管理も危ぶまれる状況を迎えている。今後の持続可能な社会を展望する上では、同一地域内において、長年月にわたり持続的に生産を続けることを可能としてきた地方・農山村はむしろ重要性を増しており、短期的な経済合理性の観点のみから消滅させることは得策とは言えない。再生可能エネルギー利用は、農山村振興のための新たな再分配や農山村におけるオルタナティブなビジネスとなりうる可能性を秘めているが、FITをはじめとした制度的な対応はそれに応え得るものとなりえておらず、農山村振興に資するというより都市部への利益の持ち出しの側面が強くなっている。こうした状況の改善には農山村サイドからの自律的な取組みを支援しつつ、経済的再分配の強化や制度の変更等を行うことが持続可能な社会づくりの観点から欠かせない。

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