大学野球選手のコンディションに関する研究

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タイトル別名
  • Study on the condition of the university baseball players
  • ダイガク ヤキュウ センシュ ノ コンディション ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究では大学野球選手のコンディショニングを支援するために必要となる計画的かつ教育的プログラムを策定するための基礎的資料を得るために,大学入学後にスポーツ傷害を経験したか否かという観点から選手のコンディショニングに関する意識および行動を調査した。対象は某大学野球部部員106 名とした。調査は記名自己記入式アンケートを行い,スポーツ傷害・食事・生活習慣などに関するアンケートおよび非観血的非侵襲性のヘモグロビン濃度測定を行った。その結果,入学後にスポーツ傷害を経験した選手では体脂肪率,および調査当日の前月までの10 ヶ月間に出場した公式試合日数が多い傾向を認めた。ヘモグロビン濃度は被検者全体の平均値が10.3 g/dl であり一般的な貧血状態にあることが示唆された。また,スポーツ傷害が入学前になかった群では入学後にスポーツ傷害の増加傾向が明らかになった。一方,日常的なコンディショニングとして強く意識されていた項目は,「定期的に体重を測定している」,「筋肉量を増やしたい」,「傷害で競技ができない時は痛めている部分を使わずにできるトレーニングを行う」,「疲労を感じた時は温かい湯船につかる」であった。日常的なコンディショニング行動では,「筋力トレーニングを行うこと」,「ストレッチングを行うこと」,「適切な睡眠をとること」,「試合前のウォーミングアップを行うこと」が重視されていた。以上の結果を踏まえ,生活状況,食事,競技歴などとコンディショニングの意識および実際の行動などとの関連性の検討をさらに重ね,重点的に介入指導すべき教育課題を具現化したい。

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