高次脳機能障害者のセルフアウェアネスと心理的ストレスの関連の検討

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タイトル別名
  • Self-awareness after brain injury and psychological stress
  • コウジ ノウ キノウ ショウガイシャ ノ セルフアウェアネス ト シンリテキ ストレス ノ カンレン ノ ケントウ

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説明

高次脳機能障害者のセルフアウェアネスの獲得と心理的ストレスの関係を明らかにするために,アウェアネスの階層モデルをもとに,高次脳機能障害者のアウェアネス段階を知的アウェアネス段階,体験的アウェアネス段階,予測的アウェアネス段階にわけ,それぞれの段階で経験している心理的体験,および気分状態の関係について検討した。本研究の結果,知的アウェアネス段階では,「物事を間違えたときの人々の反応」に関する心理的体験が他の段階よりも少ないこと,体験的アウェアネス段階では他の段階よりも心理的体験が多いこと,予測的アウェアネス段階では「物事を間違えたときの人々の反応」に関する心理的体験が他の段階よりも多いことが明らかとなった。また,体験的アウェアネス段階,予測的アウェアネス段階では,知的アウェアネス段階よりも,意欲や活力の低下・疲労感を強く感じていた。体験的アウェアネス段階,予測的アウェアネス段階では,心理的体験が多いことや,人々の反応に関する体験をすることが意欲や活力の低下・疲労感を高めていることが考えられる。知的アウェアネス段階から,体験的アウェアネス段階,予測的アウェアネス段階へとアウェアネスの獲得が進むにつれ,心理的ストレスも増加することが考えられ,それぞれの段階に合わせた心理的支援が必要であることが示唆された。

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