スポーツ行動診断検査の試案

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タイトル別名
  • A Tentative Plan on the Diagnostic Test of Sport Behaviors
  • スポーツコウドウシンダンケンサノシアン

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抄録

スポーツ行動診断検査を作成する目的から大学生を対象にして,信念,態度,身体,性格の各変数について予測変数としての有効性を分析するとともに,クラスター分析によって行動意図を基準にした3つのプロフィールと4変数を基準にした5つのプロフィールに分類した。そして,これらのプロフィール別にスポーツ行動の特徴を分析し,スポーツ行動の診断,予測,指導の方法論を開発することを試みた。おもな結果は次のとおりである。1.週平均のスポーツ実施程度と信念,態度,身体,性格の4変数の関係を単相関,偏相関,回帰係数,重相関などを用いて分析した結果,信念変数に若干問題があることが指摘されたが,全体的には予測変数としての有効性が証明された。2.非階層的クラスター分析を用いて行動意図を基準にした3つのプロフィールに分類した結果から「やる気再考型」,「やる気充電型」,「やる気満々型」を明らかにすることができた。3.同様に,信念,態度,身体,性格の4変数を基準にした5つのプロフィールから,「スポーツ適性型」,「スポーツ準適性型」,「スポーツ適性再工夫型],「スポーツ対策準再検討型」,「スポーツ対策検討型」を明らかにすることができた。4.プロフィール別にスポーツ行動の特徴をみると行動意図を基準とした分類では,「やる気満々型」が各種のスポーツ行動は最も多く,「やる気再考型」は最も少なかった。「やる気充電型」は全体の平均的スポーツ行動であった。4変数を基準にした分類では「スポーツ適性型」があらゆるスポーツ行動は最も多く,「スポーツ対策再検討型」は読む・聞くスポーツを除けば最も少なかった。「スポーツ準適性型」は過去には多く行動したが現在はほどほどであるがかなり多いタイプであた。「スポーツ対策準再検討型」は読むスポーツは最も少なく,その他のスポーツ行動はかなり少なく,「スポーツ適性再工夫型」は全体の平均的なスポーツ行動であった。5.これらの結果から,スポーツ行動の診断・予測・指導の方法を開発できる可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 4 105-118, 1982-03-30

    九州大学健康科学センター

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