スポーツ選手の心理的競技能力にみられる性差、競技レベル差、種目差

書誌事項

タイトル別名
  • Differences between the Sexes, Competitive Levels and Events in the Athletes' Psychological Competitive Ability
  • スポーツセンシュノシンリテキキョウギノウリョクニミラレルセイサ、キョウギレベルサ、シュモクサ

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説明

県立のスポーツ施設で受検したスポーツ選手1,940 名の資料をもとに心理的競技能力の性差,競技レベル 差,スポーツ種目差を考察した。その主な結果は,つ ぎのとおりである。 1.性差については,総合得点で男子が優れ,内容的 には男子は作戦能力(判断力,予測力),自信(自 信,決断力),競技意欲(忍耐力,闘争心,勝利意 欲)で優れ,女子は自己実現意欲で優れ,協調性 でやや優れていた。しかし,精神の安定・集中 (自己コントロール,集中力,リラックス)には顕 著な差は認められなかった。 2.競技レベル差については,男女とも,国際レベル, 全国レベル,九州レベル,県レベル,地区レベル, 市町村レベルの順に高得点を示し,顕著な差が認 められた。内容的には,競技レベルの高い選手ほ ど自信(自信,決断力),作戦能力(予測力,判断 力)で顕著に優れ,そのほか競技意欲(忍耐力,闘 争心,自己実現意欲,勝利意欲)や精神の安定・ 集中(自己コントロール,リラックス,集中力)で 優れていた。しかし,協調性については,顕著な 差は認められなかった。 3.スポーツ種目差については,類型別では,ネット 型,野球型,個人対人型,個人記録型,ゴール型 の順に高得点を示し,類型差が認められた。また, スポーツ種目別では得点差は認められたが,種目 差というより,その対象種目の競技レベルが反映 しているものと思われた。 4.心理的競技能力の総合得点の個人差については, 性差は認められなかったが,競技レベルの高い選 手ほど優れていると判定される者が多く,競技レ ベルの低い選手ほど,劣っていると判定される者 が多く,男女や競技レベルに個人差がみられた。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 22 109-120, 2000-02-10

    九州大学健康科学センター

被引用文献 (3)*注記

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