ミズナラ用材林作業法に関する研究 : 第3報 ミズナラ林間伐の収穫的実験

DOI 機関リポジトリ (HANDLE) Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the High Fores System of MIZUNARA (Quercus crispula Blume). : (III) On the Thinning Experiment of MIZUNARA with a view to yielding work.
  • ミズナラ用材林作業法に関する研究-3-ミズナラ林間伐の収穫的実験
  • ミズナラ ヨウザイリン サギョウホウ ニ カンスル ケンキュウ 3 ミズナラリン カンバツ ノ シュウカクテキ ジッケン

この論文をさがす

説明

この研究は,主として間伐の収穫面に関する基礎的資料を得るため,間伐率の差異が収穫作業の功程および経費・収穫量・収穫額などにどのような関連性をもつかを究明しようとするものである。本実験地は,1967年12月に九州大学北海道演習林第1林班の40年生ミズナラ林に設定された。このレポートは,その実験地で3程度の異なった間伐率によって間伐を行ない,間伐材を山土場まで搬出した結果についてのべたもので,その概要はつぎのとおりである。(1)本実験においては,広葉樹用材林施業に適応した樹型級区分を行ない,それにもとづいて上層間伐法により間伐し2.4m坑木材・1.8 m坑木材・パルプ材が収穫された。(2)間伐率は,間伐後における残存上層木のha当り成立本数で規制し,強度区600本,中度区800本,弱度区1,000本の3段階とした。(3)各間伐区の材種別収穫材種比率は図-6に示したとおりであり,強度区においては坑木材が多く(60.5%),弱度区においてはパルプ材が多く収穫され(56.6%),強度区とは逆の傾向を示している。また中度区においては,両区の平均的な収穫結果であった。(4)収穫作業の全過程において,m^3当りの作業功程は間伐率による影響がほとんどないと推測される。(5)収穫費は,間伐率が大きくなるに従って,間伐材積および収穫材積が多くなるとともに,多額を要することが明らかになった。(6)収益の絶対額は,間伐率が大きくなるほど多くなって採算上有利になる。しかし経済効果では,間伐率による変化は小さく,間伐率を大きくすることによる経済効果の大幅な向上は期待できないものと推測される。

収録刊行物

  • 演習林集報

    演習林集報 23 67-84, 1969-09-30

    九州大学農学部附属演習林

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ