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- 玉井 虎太郎
- 九州帝國大學農學部植物學教室
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抄録
佐伯氏の創案になるコバルト鹽利用比色迅速土壤水分測定法は一般に野外に於て簡單にその目的を達し得るので, 將來性ある方法と思はれるが, 調査範圍が廣汎にわたり, 比較土壤間の物理的性質, 特に容水量(保水力)或は水分保留力の程度が著しく異り, 又は所含水分に著しき差を持つ場合には, アルコールによる水分脱取の程度が各土壤で異りこれに基因する實驗上の誤差の介入が憂慮される。土壤の水分保留力の程度が著しい相違に由來する土壤内水分の淺留程度の違ひに對しては必要ならば佐伯氏も言及せる如く BOUYOUCOS, 霜氏等の對策を用ひ得べく, 又所含水分に著しき差の認められる場合にはアルコールの吸水能減退の程度の相違に由來する誤差が導入し來るのに對しては板野及松浦氏(2)の言及せし如く一定量アルコールに對する供試土量を加減することに依りて免れることが出來る譯であるが, 筆者は之を實行する具體的方法として比色法の供試液調製の際に於ける供試土壤の適量の定め方につき考察を試みた。なほ比較土壤材料の比重に著しい相違ある場合は含水度の表示は對溶積法によるべき所以に言及するところがあつた。要するに本コバルト鹽利用による比色迅速土壤水分測定法の施行には土壤よりその所含水分を遺憾なく奪取して, アルコールに完全に移行せしめる方法への拔りなき考慮と, 比色操作を適當なる色調範圍に於てなるべく容易に行ひ得る樣供試液の含水度を加減する事への注意を拂ひ, 實驗上の誤差の導入を防止すると共にかくて求められた測定水分量の表示法に意を用ひ, 所謂表示上の誤差を免れることに努め本法運用上遺憾なきを期したい。
収録刊行物
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- 九州帝國大學農學部學藝雜誌
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九州帝國大學農學部學藝雜誌 7 (4), 518-527, 1937-12
九州帝國大學農學部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174790749824
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- NII論文ID
- 120003836994
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- NII書誌ID
- AN00055586
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- DOI
- 10.15017/20914
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- HANDLE
- 2324/20914
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles