クロソトリジウム属細菌を溶解する酵素に関する研究 (5) : クロストリジウム・HM2ファージの溶菌酵素の性質

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タイトル別名
  • Lytic Enzymes Active on Clostridium Species (5) : Properties of Phage HM2-Induced Lytic Enzyme of Clostridium saccharoperbutylacetonicum
  • クロストリジウム属細菌を溶解する酵素に関する研究-5-クロストリジウム・HM2ファージの溶菌酵素の性質
  • クロストリジウムゾク サイキン オ ヨウカイスル コウソ ニカンスルケンキュウ

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抄録

HM2ファ-ジが感染したClostridium saccharopetbutylacetonicum (ATCC 13564)の溶菌液から,この宿主菌の細胞壁の他に,C. kaneboi, C. sporogenesの細胞壁を溶解する溶菌酵素を,硫安塩析,DEAD-セルロースカラムクロマトグラフィーによって分離精製した.本辞素は,Clostridium属細菌の生菌体やホルマリン処理菌体を溶解せず,細胞壁とペプチドグリカンのみを溶解するという高い基質特異性を有していた.本酵素には,至適pH4.0で,ペプチドグリカンから還元基のみを遊離させてこれを分解する酵素作用Ⅰと,至適pH5.0で, 細胞壁からのみアミノ基を遊離させる辞素作用Ⅱが存在した. 酵素作用Ⅰはペプチドグリカンのグリカン部を切断するN-acetylmuramidaseの作用であった. 酵素作用Ⅱは,分解生成物のN-末端アミノ基がD-アラニンであること,ペプチドグリカンに対して全く作用しないことなどから,細胞壁に存在するタイコ酸様物質のD-アラニンを遊離させる作用であると考えられた.

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