イギリスにおける混合農業の展開に関する経営史的研究 (1)

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  • A Study on the Development of Mixed Husbandry from Viewpoint of History of Farm Management in England (1)
  • イギリス ニ オケル コンゴウ ノウギョウ ノ テンカイ ニ カンスル ケイエ

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抄録

本論では農業革命以後の,とくに穀物法撤廃以後のハイ・ファーミング期における混合農業(Mixed Husbandry)の展開を考察の対象にする.このばあい,混合農業とは岩片(1951)によると,"穀物関税の廃止以後,実質賃銀が高まっていくにつれて,畜産食糧に対する需要が旺盛になったことは,19世紀の中葉までに輸栽式をいよいよ一般的ならしめたのであって,この経営方式は19世紀の70年代に最高潮に達したわけである.英国で一般に混合農業(原文では混同農業である…筆者注)と呼ばれるこの方式は,経営に対しては穀物と養畜との収益のバランスのうえに成立した"(岩片,1951,14-15貢).その他の識者による混合農業の規定をみると, "穀物と畜産との結合",あるいは"耕地と牧草地との結合"(Levy,1966,p.59), "ノーフォーク方式の原型に緬羊や肉牛などの肥育をバランスよく結合させた農法" (小林,1973,59頁), "穀物と緬羊か牛かいずれか, あるいは双方の飼養を組合わせる方式, つまり,飼料作物と穀作物との輪作,耕地緬羊(arable herds)と畜舎内牛(yard-feeding cattle)を飼養するノーフォーク4圃輪栽式"(Jones,1962,p.109)等である.したがって,本論では混合農業をハイ・ファーミング期における経済的・技術的条件のもとで,別種部門と畜産部門とが補合・補完的に結合し,しかも穀物と家畜とが収益的にバランスよく結合した農業と理解する.

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