ハネケナガツヤコバチのヤノネカイガラムシに対する探索行動と産卵行動 : 3.寄生蜂の産卵行動におよぼす介殻の構造の影響

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  • 梶田 泰司
    九州大学農学部生物的防除研究施設天敵増殖学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Searching and Ovipositing Behaviour of Aspidiotiphagus citrinus (Craw), a Parasite of the Arrowhead Scale, Unaspis yanonensis (Kuwana) : 3.Influence of the Structure of Scales on the Ovipositing Behaviour of the Parasite
  • ハネケナガツヤコバチ ノ ヤノネカイガラムシ ニ タイスル タンサク コウドウ

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抄録

ハネケナガツヤコバチの産卵行動にヤノネカイガラムシ雌雄の介殻の構造がどのような影響をおよぼしているかを明らかにするため,雌雄の発育ステージ別に産卵試行率,産卵管挿入率,産卵成功率,産卵行動時間などを調べた.1.ヤノネカイガラムシ雌は介殻上に繊維物質を分泌しないが,雄1令幼虫は毛状物質を,雄2令幼虫は綿状物質を分泌する.雌の供試虫のうち,最も介殻の厚さが薄いのは2令前期で,以下1令後期,2令後期の順であった.雄1令後期の介殻の厚さは雌1令後期とほぼ同じであった.雄2令幼虫の介殻は雌のように肥大しない.2.産卵試行率,産卵管挿入率および産卵成功率はいずれも雌の方が雄よりも高く,産卵成功率は雌2令前期がその他の発育ステージに比べて明らかに高かった.3.産卵行動時間は雄の方が雌より幾分短かった.産卵行動時間は雄1令後期が最も短かったが,雌2令前期との間には大差がなかった.みかけの産卵行動時間は実際の産卵行動時間との問に大差がなかった.4.介殻の厚さと固さが産卵の成否と産卵行動時間に影響をおよぼす.雄の分泌する繊維物質は産卵行動時間を増大させるばかりでなく,産卵行動を阻止する効果が大きい.

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