サワガニの成長

書誌事項

タイトル別名
  • Growth of a Freshwater Crab, Geothelphusa dehaani (White)
  • サワガニ ノ セイチョウ

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抄録

サワガニの孵化から成体にいたる成長について明らかにする目的で, 1990年9月から1991年9月にかけて, 福岡県の谷山川上流で毎月採集を行った. 採集した標本は, 月別, 雌雄別にヒストグラムを作成し, 正規分布に分解することにより同時発生群に分別した. この正規分布の平均値をPauly and Gaschützの成長曲線に当てはめることにより, 本種の成長を推定した. 調査水域においては, 12~3月の冬の間はカニは冬眠状態にあり, 脱皮個体および活動個体は認められなかった. 親ガニから離れた稚ガニに関しては, 雌雄とも月別に比較したヒストグラムの峰が孵化当年には動かず, 次年になってはじめて峰の成長が認められたことにより, 孵化当年の稚ガニは脱皮をしないで冬を越すことが推定された. 翌年以降は, 年に2~3回の脱皮をすると推定された. 最小成体サイズは, 雄では甲幅約18mm, 雌では約19mmと推定され, 雌雄とも4才で繁殖に参加するようになると推定された.

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