<特集論文>対テロ戦争によるパキスタンにおける社会変容

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タイトル別名
  • Social Transformation in Pakistan in the War on Terrorism

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抄録

小文は、対テロ戦争以降のパキスタンにおける社会構造や急進派組織の変容について、特に連邦直轄部族地域のターリバーンやパキスタン国内の急進派組織を中心に考察する。部族地域では、対ソ連戦争時に流入した兵士が伝統的な氏族長による合議制に対して異議を唱えるようになり、部族の社会構造に変容がもたらされた。小文では、対ソ連戦争時から現代に至るまでの歴史的経緯や思想的背景を考察する。また、カシュミールを中心に結成されたムスリム急進派は、結成当初「愛国心」でパキスタン政府や軍と一定の親和性を持っていたものの、対テロ戦争後の軍による掃討作戦が、軍と急進派の間に亀裂を生み、急進派による攻撃の対象が軍や警察施設への攻撃と変わっていったことを指摘する。これらの問題の解決は容易ではないが、これらの歴史的背景を把握し、長期的な視野での問題解決に向けた国際社会の支援が必要であろう。

収録刊行物

  • 現代インド研究

    現代インド研究 2 35-57, 2012-01

    人間文化研究機構地域研究推進事業「現代インド地域研究」

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174793065984
  • NII論文ID
    120005122144
  • NII書誌ID
    AA12520400
  • DOI
    10.14989/167512
  • HANDLE
    2433/167512
  • ISSN
    21859833
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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