<特集論文>「インドのスピリチュアリティ」とオリエンタリズム : 19世紀インド周辺の用例の考察 (特集 「国際関係のなかのインド」)

書誌事項

タイトル別名
  • "Spirituality of India" and Orientalism : From the Use of the Term "Spirituality" in the 19th Century (SPECIAL FEATURE : India in International Relations)

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説明

本稿は「インドのスピリチュアリティ」なる像の形成を問うものである。それは「オリエンタリズム」の典型とも見えるが、インドの側からも西洋への対抗上有効な語彙として用いられてきた。ヴィヴェーカーナンダの普遍宗教論にもこの語彙は大きな役割を果たしている。いわゆる「肯定的オリエンタリズム」の一種と思われるが、しかしその用例を見ていくと、必ずしもいわゆるオリエンタリズムの構図におさまらないことがわかる。オリエンタリズムの核は、差別や蔑視よりむしろ、西洋が東洋について語りその本質を規定するという不均衡な構図こそにある。しかし、19 世紀の「スピリチュアリティ」の用例には、西洋の規定に対する東洋の反応という構図におさまらないものが見て取れる。この語彙の現代的用法は東西が入り交じる関係の中から編み出され、そしてそこにはむしろ、オリエンタリズム的二元論を崩し止揚するような意義が求められていたと考えられるのである。

収録刊行物

  • 現代インド研究

    現代インド研究 3 49-76, 2013-02

    人間文化研究機構地域研究推進事業「現代インド地域研究」

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174793075840
  • NII論文ID
    120005244643
  • NII書誌ID
    AA12520400
  • DOI
    10.14989/173747
  • HANDLE
    2433/173747
  • ISSN
    21859833
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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