皇道仏教という思想 --十五年戦争期の大陸布教と国家--

書誌事項

タイトル別名
  • Imperial-Way Buddhist Thought: Asian Continental Propagation and the State During the Fifteen-year War
  • コウドウ ブッキョウ ト イウ シソウ : ジュウゴネン センソウキ ノ タイリク フキョウ ト コッカ

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説明

十五年戦争期(1931 年9 月18 日〜1945 年8 月15 日) における日本仏教思想の課題について論じたものである。当時の仏教が自ら名乗った「皇道仏教」というテクニカルタームによってアプローチした。「皇道仏教」はおおむね, 「天皇の道」を意味する「皇道」と仏教とを合一させた造語である。「皇道仏教」の表象の一つである真宗大谷派の「天牌」や, 「大陸布教」の視座を交えることによって, 戦争する国家に参画, 協力する日本仏教の思想に迫った。この方法によって, 天皇に帰一する仏教の思想や, 大陸を経て流入した仏教が聖徳太子ら皇室の庇護によって, 「完成された仏教」となったと捉え, 大陸布教によって逆輸出すると主張したことなどがわかった。彼らが主張した「皇道仏教」は, 「日本国仏教」や「日本人仏教」とも言うべき思想だった。

収録刊行物

  • 人文學報

    人文學報 108 97-111, 2015-12-30

    京都大學人文科學研究所

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