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- 大久保 毅
- 東京大学大学院理学系研究科
抄録
物理における多体問題では、しばしば、構成要素数に対して自由度が指数関数的に増大し、最新の計算機でさえ、その情報を蓄えることが困難になる。しかし、物理的に重要な多くの例では、自由度全てが必要な訳ではなく、重要な情報を抽出できれば、情報を圧縮して状態を効率的に記述することができる。テンソルネットワークは、このような情報圧縮を行う記述法の一つであり、近年では、古典・量子多体問題を数値的に解析する手法として、応用が広がってきている。本講義ノートでは、このようなテンソルネットワークの基本的な考え方を紹介し、量子多体系の波動関数を良く記述する、テンソル積状態の導入までを行う。ページ数の制約もありこの講義ノートでは触れられないが、集中ゼミではこのテンソル積状態を用いた基底状態の計算方法、フラストレート磁性体研究への応用例も紹介する予定である。
収録刊行物
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- 物性研究・電子版
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物性研究・電子版 7 (2), [1]-, 2018-11
物性研究・電子版 編集委員会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174798564992
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- NII論文ID
- 120006542049
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- DOI
- 10.14989/235546
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- HANDLE
- 2433/235546
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可