<論説>李朝における同族共同体の成立と郡県制 : 特に同族の『本貫』地としての郡県の性格について

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タイトル別名
  • <Articles>The Establishment of the Clan Community and the Centralized Local Administration of Ri 李 Dynasty
  • 李朝における同族共同体の成立と郡県制--特に同族の「本貫」地としての郡県の性格について
  • リチョウ ニ オケル ドウゾク キョウドウタイ ノ セイリツ ト グンケンセイ

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抄録

本稿は、李朝初期に全面的に改編した郡県制とは、専制王権が実現する地方官制の確立過程である一方、それを「本貫」地としながら自己を形成してくる土姓士族、とくにその同族集団により構成される村落共同体の成長によって規定され、又、それを支えにしたからこそ、その地方支配を全うすることができた行政体制であったことを究明せんとしたものである。従って、まず、土姓士族の発生経緯やその「共同体」的な性格を吟味したうえに、中央の勲旧勢力に対抗する「留郷所」復立運動を経て、「郷約」・「書院」の確立に到るまでの土姓士族(のちには士林派) の政治的・自治的機能の成長について段階的に検討されている。そしてまた、これらの展開のなかには、ほかの郷村構成員に対する一つの支配機構や体制としての時代的特質がつねに貫かれていた点に注目し、土姓士族の中央官界への持続的志向性と関連して考察されている。

収録刊行物

  • 史林

    史林 58 (5), 654-687, 1975-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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