<論説>ドイツ三月革命前後の労働諸階級福祉中央協会

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Der Centralverein fur das Wohl der arbeitenden Klassen vor, wahrend und nach der Marzrevolution
  • ドイツ3月革命前後の労働諸階級福祉中央協会
  • ドイツ 3ガツ カクメイ ゼンゴ ノ ロウドウ ショ カイキュウ フクシ チュ

この論文をさがす

抄録

近年の一九世紀ドイツ「自由主義」研究は、一九七五年にだされたL・ガルの説を中心に展開している。ガルによれば、「無階級市民社会」という理想社会像をもつ、一九世紀前半の「初期自由主義」が、世紀中葉を境に階級イデオロギーに「堕落」してしまうのである。このガル説は近年ではほぼ定説となっているものの、世紀中葉を境とする二分法に対する批判もいくつかだされている。そこで、本稿では、労働者福祉という観点から世紀中葉のドイツ「自由主義」者の再検討を試み、労働諸階級福祉中央協会(一八四四年設立) をとりあげてみる。考察の対象時期を一八四四年から一八五八年までとし、機関誌である「労働諸階級福祉中央協会会報」を中心に分析を加える。その結果、この時期の中央協会には、中央協会自体から、地方協会、そして協会員にいたるまで、「無階級市民社会」という発想が一貫して見られたことが、明らかとなった。

収録刊行物

  • 史林

    史林 73 (3), 353-389, 1990-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ