<論説>元代華北のモンゴル軍団長の家系

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タイトル別名
  • <Articles>The Genealogy of Generals of the Mongolian Army in North China during the Yuan Dynasty
  • 元代華北のモンゴル軍団長の家系
  • ゲンダイ カホク ノ モンゴル グンダンチョウ ノ カケイ

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抄録

一三世紀後半におけるモンゴル帝国〜元朝の南宋征服戦は、その歴史的重要性から、戦争経過については研究がなされているが、戦争を実行した軍団については研究が手薄である。本稿は、華北戦線に参加したモンゴル軍国を対象とし、軍団長の家系を探り、その歴代の人物の歴史をたどった。探し得た家系はウリャンカン部族スベエテイ家、ジャイラル部族ブジェク家、ナイマン部族マチャ家、タングト部族チャガン家、マングト部族ボロゴン家、フウシン部族タガチャル家、ジャライル部族チョルカン家の七家である。彼らが長となった軍団の軍府名は「蒙古軍都元帥府」「山東河北蒙古軍大都督府」「河南淮北蒙古軍都萬戸府」である。彼らの家系はトルコ・モンゴル系であるが、有力部族長の家ではない。多くはチンギス・ハンとの個人的な繋がりを持つ者を祖先に持つ。オゴデイ・カアン時代の金朝征服戦、対南宋戦を華北への駐屯の始まりとする。軍団長の職を世襲するとともに、行省・行台の高官を務め江南支配に関与した。彼らは、本拠地の所在・所領・官職・行動等からみて、王族や有力部族長の家系に次ぐ層を構成していたと考える。

収録刊行物

  • 史林

    史林 75 (3), 322-357, 1992-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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