<論説>唐代の文官人事 : 吏部による選授権限の変遷を中心に

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タイトル別名
  • <Articles>Tang Bureaucratic Appointments and the Board of Civil Affairs's Shifting Function
  • 唐代の文官人事--吏部による選授権限の変遷を中心に
  • トウダイ ノ ブンカン ジンジ リブ ニヨル センジュ ケンゲン ノ ヘンセン

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抄録

唐代の文官の注擬に関しては主に尚書省の吏部が担当することになっていた。しかしながら、八世紀半ば以降の官制変革の中で尚書省の機能は低下し、また吏部選自体が問題を含んでいたこともあって、中央では主に中書、地方では藩鎮に人事権が移りつつあった。奏薦的な注擬の形態が盛行し、吏部が注擬を行う範囲は回復への試みがあったにも関わらず狭まっていくことになる。こうして吏部の機能は大幅に低下したわけであるが、人事に全く関わらなくなったわけではない。唐代後半期の吏部は書類の取扱や審査を主たる職掌とする官司へと変質を遂げていった。そして奏薦の場合も含め、唐末に至るまで人事に関わっていくのであり、唐末五代の混乱を経て、宋代初期に見られるような形式的な書類手続きのみの官司となるわけである。唐代後半期の吏部の機能を、五代や宋代初期の史料をも参考にしながら、一連の官制変革との関わりから解明するのが本稿のねらいである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 80 (2), 249-279, 1997-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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