<論説>森恪の中国政策構想 : 満州事変前後を中心に

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タイトル別名
  • <Articles>The Framework of Mori Tsutomu's Foreign Policy toward China during 1929-1932
  • 森恪の中国政策構想--満州事変前後を中心に
  • モリ ツトム ノ チュウゴク セイサク コウソウ マンシュウ ジヘン ゼンゴ オ チュウシン ニ
  • The framework of Mori Tsutomu's foreign policy toward China during l929-1932

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抄録

満州事変は、満州における日本の権益が危機的な状況にあるにもかかわらず、ワシントン会議での合意を最大限尊重し列国協調主義、中国内政不干渉主義などを基軸とする幣原外交では擁護され得ないとして、引き起こされた。本稿は、幣原外交とは異なり、満蒙権益擁護を強く主張し強硬的な中国政策を展開した政友会森恪の中国政策構想並びにその位置づけを明らかにしようとするものである。考察によれば、森の中国政策は九カ国条約への違背、列国との摩擦を回避することを基軸としたものであり、その背景には森自身の「大国」志向と「皇室中心の国体」という日本国家観がある。このことを踏まえるならば、これまでの先行研究が森の中国政策の強硬的側面を強調し、否定的に捉えてきた潮流の再考を促すことになろう。また、森の中国政策を改めて検討・分析することで、幣原外交に替って日本がとり得る選択肢のひとつを探る手がかりが得られよう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 91 (6), 1051-1084, 2008-11-30

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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