<論説>明代内閣職掌形成過程の研究 : 經莚制度の成立を分析の焦点として

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タイトル別名
  • <Articles>A Study of the Process of the Formation of the Ming Grand Secretariat, Focusing on an Analysis of Establishment of the System of the Classics Colloquium
  • A Study of the Process of the Formation of the Ming Grand Secretariat, Focusing on an Analysis of Establishment of the System of the Classics Colloquium
  • 明代内閣職掌形成過程の研究 : 經筵制度の成立を分析の焦点として
  • ミンダイ ナイカク ショクショウ ケイセイ カテイ ノ ケンキュウ : ケイエンセイド ノ セイリツ オ ブンセキ ノ ショウテン ト シテ

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抄録

明代宣徳以前、皇帝の修学は、各帝が宮中で任意に読書を行なうにまかせられていた。正統初年より、英宗皇帝に対する進講が始められるが、それは英宗が幼年で即位するという事態に対応するために、臨時的に実施された施策であった。その後、正統末年に惹起した土木の変に到る政情への反省から、当時の臣僚たちは、朝儀以外の時問に於いても皇帝の日常を一定程度管理する方法を模索する。結果として、景泰初年にすでに成年に達していた景泰帝を対象とした進講が開設された。つまり、明代に於いて皇帝がその年齢如何に関わらず臣僚によって教導の対象とされる体制が出現した背景として、正統から景泰に到る政情の推移とそれに対応しようとした臣僚たちの動向を措定できるのである。この一連の流れの中で、「同知經莚事」を帯びることになった内閣官は、皇帝に対する進講を主導するという職掌を獲得したのであった。

収録刊行物

  • 史林

    史林 95 (3), 524-552, 2012-05-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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