<論説>社会の流動性とレジリアンス : 中央ユーラシアの人間と自然の相互作用の総合的研究の成果から (特集 : 災害)

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タイトル別名
  • <Articles>Social Mobility and Resilience : An Historical Perspective on the Future in Arid Regions of Central Eurasia from an Integrated Research Project (Special Issue : DISASTERS in History and in our time)
  • 社会の流動性とレジリアンス : 中央ユーラシアの人間と自然の相互作用の総合的研究の成果から
  • シャカイ ノ リュウドウセイ ト レジリアンス : チュウオウ ユーラシア ノ ニンゲン ト シゼン ノ ソウゴ サヨウ ノ ソウゴウテキ ケンキュウ ノ セイカ カラ
  • Social Mobility and Resilience : An Historical Perspective on the Future in Arid Regions of Central Eurasia from an Integrated Research Project

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抄録

地球研・イリプロジェクトでは、中央ユーラシア乾燥・半乾燥地域を対象として取り上げ、過去一○○○年間の気候・環境変動を多様な手法で明らかにするとともに、それに対する人間の応答を明らかにすることを試みた。中央ユーラシアの生態環境は、大陸スケールの東西の降水量分布と季節性の違い、南北の気温差に起因する多様性と、わずかな気候のゆらぎで乾燥・半乾燥が入れ替わる変動性とを有する。開放的な地形もあって、遊牧という移動性の高い生業は、多様で変動の大きい環境と調和的であった。一方で水資源の稀少性は、農業集団にも時として移動や生業の転換を強いた。こうした移動性の高さ、社会の流動性が、中央ユーラシアの根底にある。乾燥・半乾燥地域社会の移動性の高さは、東南アジアなどの海域社会と同形性を有する。東南アジアの海域社会は、その流動性の高さが災害に対する社会のレジリアンスを発揮するとされるが、乾燥・半乾燥地域にも、同様な傾向を見出すことができる。

収録刊行物

  • 史林

    史林 96 (1), 100-127, 2013-01-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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