<論説>古墳時代甲冑の系統と授受

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タイトル別名
  • <Articles>The Systems of Production, Distribution and Reception of Armor in the Kofun Period
  • 古墳時代甲冑の系統と授受
  • コフン ジダイ カッチュウ ノ ケイトウ ト ジュジュ

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抄録

古墳時代の主要な武具である短甲・頸甲・冑について、生産時の系統差に基づいて組み合わせの変遷と分布を検討し、その社会的意義の一端を論じた。鉄製甲冑の導入当初は生産と流通は独占的に掌握されており、その配布は各地の有力者の一元的な格差づけに寄与していたが、やがて新来工人集団の掌握と組織化を経て複数工房における生産とそれぞれの工房を掌握する上位集団による各地への配布体制が構築される。それは結果として甲冑の配布を差配した各集団の自己論理による独立的な生産・配布体制の成立へとつながり、甲冑を用いた一元的な格差づけの論理と社会的機能はその役割を終えていく。これまで倭王権による一元的な生産と配布が論じられていた鉄製甲冑について、王権内における複数勢力による生産とそれらと結びついた各地への配布の実態を論じ、多元的な甲冑の授受の様相を明らかにした。

収録刊行物

  • 史林

    史林 101 (2), 317-355, 2018-03-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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