<論説>世紀転換期香港の衛生政策をめぐる議論 : 中国人の居住環境の改善と経済的自由主義

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タイトル別名
  • <Articles>The Controversy over Public Health Policy in British Hong Kong from the Late 19th Century to the Early 20th Century: The Improvement of Housing Conditions of Chinese People and Economic Liberalism
  • 世紀転換期香港の衛生政策をめぐる議論 : 中国人の居住環境の改善と経済的自由主義
  • セイキ テンカンキ ホンコン ノ エイセイ セイサク オ メグル ギロン : チュウゴクジン ノ キョジュウ カンキョウ ノ カイゼン ト ケイザイテキ ジユウ シュギ

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抄録

本稿は、世紀転換期の香港における衛生政策、特に中国人の居住環境に対する政策の特徴とそれをめぐる議論を明らかにするものである。行論では、種々の調査委員会による調査報告書や潔浄局・立法局での衛生関連条例の制定における議論を分析した。香港政庁は居住環境の改善において財政面や中国人社会への配慮を踏まえて効率的な政策を実施した。また、その費用を家屋所有者に負わせる方針をとっており、これは本国イギリスより中央集権的で経済的自由主義に介入するものだった。オープンスペースに関する家屋所有者の反発は受け入れられなかったが、弁護士や医師など専門職の立法局非官守議員からも反発を受けたキュービクルの問題の解決策に関して、政庁は政策を一部修正し費用負担を認めた。これは、彼らが政庁の主導による衛生行政体制を支持していたためであり、彼らの存在は政庁にとって無視できない重要なものとなっていた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 101 (2), 392-426, 2018-03-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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