<論説>攝津平野郷における綿作の發展

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タイトル別名
  • <Articles>The Devolopment of Cotton Industry in Hiranogo, Settu (Osaka)
  • 摂津平野郷における綿作の発展
  • セッツ ヘイヤキョウ ニ オケル ワタサク ノ ハッテン
  • <論説>攝津平野郷における綿作の発展

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抄録

主穀農業を唯一の基軸產業とする封建社會から、各種の產業が次第に發展して、日本の近代社會が準備される。江戸時代における綿生產の發展も、その重要な一つである。しかし、綿生產の歷史は、決して平坦な途を歩んだのではなく、封建社會の農民が諸種の封建的束縛と鬪い又困難な社會的諸事情を克服することによつて、押し進めてきたのである。そうした先驅的意義をもつ大阪平野の綿作の發展を追求した。しかし、ここでなお殘された課題として、近世初期に既に農民の中に顯著な階級分化がみられる理由、農業經營としての綿作の初期の發展と後期のそれにおける歷史的相違點、また工業發展の視角からみてとくに幕末期の農工の分離過程と問屋制家内工業の實態、從つて町方に對する在方資本の分析といわゆる寄生地主制の檢討、ならびにそれらの歷史的評價を果しえなかつたことを遺憾とする。

収録刊行物

  • 史林

    史林 34 (1-2), 713-733, 1951-02-01

    史學硏究會 (京都大學文學部内)

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