<論説>郷土家の家族的周辺

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タイトル別名
  • <Articles>Around the Family of a Gentry (郷土)

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抄録

藤堂藩の無足人、大和添上郡田原郷の山本平左衛門家の同族ならびに縁者の諸家について紹介するのが本稿の趣旨である。いうまでもなく江戸時代は身分社会であつた。いわゆる士農工商の差別が明かに定められて、それぞれの身分には分相応の生活形態が形成された。従つて婚姻関係も親類附合も、身分に応じて封鎖的に行われたとは、一応認めなければならない。しかしながらここに概略説明する山本家の場合は、元禄を中心とする約半世紀の間、二三世代に亘る家族関係が、平左衛門忠辰の日並私記その他によつて窺われるが、この在郷の侍分の家の周辺には、諸藩の中級武士層をはじめ、春日社の社家、同格の郷士庄屋層および町人と広汎な諸身分があつた。のみならず諸大寺の住僧を出す家筋も多くあつた。享保以後の事情は変化するが、これらの事実によつて、この時代の社会生活、ことに家族関係について改めて検討する手懸りを得たいと期待している。

収録刊行物

  • 史林

    史林 41 (4), 295-316, 1958-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174802037760
  • NII論文ID
    120006818138
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_41_295
  • HANDLE
    2433/249358
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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