<論説>ディズレーリの保守主義

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Conservatism in Benjamin Disraeli
  • ディズレーリの保守主義
  • ディズレーリ ノ ホシュ シュギ

この論文をさがす

説明

イギリス一九世紀の歴史は産業革命という新しい歴史構成力を基軸に考えられるのが普通である。その世紀は産業革命の担い手たるプルジョワジーの世紀であり、自由主義の世紀であると一般に見做されている。勿論その評価に異議のあろうはずはないが、しかし、イギリスの一九世紀がただそれだけの評価で十全に理解されえないのもまた明らかである。このプルジョワジーの興隆期を通じて、一八世紀来の保守勢力は亡びることなく新しい状況に自からを適応させ、一九世紀の末葉以降は、自由主義の退潮をよそに、革新勢力たる労働党と並んで今日にいたっている。イギリスの歴史的風土により適合的であったのは、自由主義よりも保守主義であったといっても許されるであろう。本稿は一九世紀における最大の保守主義者ディズレーリの思想と行動に焦点を合せて、イギリス保守主義の産業賓本主義社会への対応を究明しようとしたものである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 47 (2), 279-313, 1964-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ