<論説>ミルトンにおけるピューリタニズムと自由 : 寛容思想の形成にふれて

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書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Puritanism and Liberty in John Milton
  • ミルトンにおけるピューリタニズムと自由--寛容思想の形成にふれて
  • ミルトン ニ オケル ピューリタニズム ト ジユウ カンヨウ シソウ ノ ケイセイ ニ フレテ

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抄録

マックス・ウェーバーによれば、ジョン・ミルトンはピューリタンの「変り種」としてピューリタニズムの枠から除外されている。一方、ミルトンは多くの論者によってヒューマニストの系列で理解されてもいる。これらの理解はいずれも、ミルトンが人間性を肯定し、理性を重視し、自由を主張してやまなかったことによっている。本稿は、ミルトンの思想を、かれの宗教改革論文、『アレオパギティカ』、『寛容論』を中心に検討し、かれの思想的立場を明らかにせんとするものである。結論的に言えば、ミルトンにおいては、ピューリタニズムとルネサンス・ヒューマニズムは二律背反的なものとして考えられているというよりは、むしろ、ミルトンの神は超越的な存在としての神ではなく、人間的なものに内在化しつつそれを内から変革し、それゆえに人間を実践につき動かす神であった。ここに、ウェーバーの理解するピューリタニズムとは別の、実践的ピューリタニズムをみることができると考えるものである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 50 (5), 674-702, 1967-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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