広島湾江田島沖のカキ養殖筏の垂下構造中にみられた魚類

書誌事項

タイトル別名
  • A list of fishes found on the oyster farming rafts by the underwater visual census in northern Hiroshima Bay, Seto Inland Sea, Japan
  • ヒロシマワン エダジマオキ ノ カキ ヨウショク イカダ ノ スイカ コウゾウ チュウ ニ ミラレタ ギョルイ

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抄録

カキ筏には多様な付着生物が生育することが知られており,魚類にとっても寄り付きやすい環境であることが示唆されている。しかし,カキ筏に具体的にどのような魚類が出現するのかについての知見は乏しい。そこで,カキ筏が数多く係留されている広島湾北部の江田島沖合において,カキ筏に出現する魚類の潜水目視調査を2011年8月と10月に実施した。マガキの垂下された水深5-9mを筏に沿って約50m 遊泳しながら,水中構造内に存在する魚種と個体数を記録した。各月とも,マガキの成長した筏とマガキが垂下されて間もない筏について調査し,のべ400分の潜水観察により総計16科24種の魚類を確認した。そのほぼすべてが,沿岸岩礁域およびガラモ場にみられる魚種であった。クロダイ,アカオビシマハゼ,アミメハギ,カワハギの4種は,調査を実施した筏すべてにおいて出現が認められ,カキ筏環境への順応性の高さが伺われた。出現魚種数および出現個体数は,マガキの成長した筏が有意に高く,マガキの成長に伴い,より多様な魚が数多く寄り付きやすくなることが示唆された。

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