小さな試料断片を用いたジャガイモの熱拡散率の算出に関する研究

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タイトル別名
  • A Study on the Thermal Diffusivity of Potato by using Small Shape Specimens
  • チイサナ シリョウ ダンペン オ モチイタ ジャガイモ ノ ネツ カクサンリツ

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抄録

食品を加熱、冷却処理する各種装置、プロセスを最適設計、操作計算するためには、各種食品の熱拡散率を求めておくことが必要となる。前報において、球状、平板状、直方体と円柱状ならびにゲル状食品の熱拡散率の測定に関する研究を行ってきた。前報に示したように、小さな形状の食品では、大きな試料断片を切り取ることができなく、精度が良い結果が得られていない。この原因は、熱電対の先端を小さな試料断片の中心部に精確に挿入することが困難なためである。そこで本研究では、小さな試料断片に挿入した熱電対の先端がずれることによる補正の研究をすることを目的として、熱電対の先端位置を変えて測定と計算を行った。試料には、比較的に安定した均質のものが得られ、年中入手ができるジャガイモを用いた。ジャガイモの熱拡散率は、温度10~60℃において、(0.01728t+6.867)×10-2cm2/min(ここで、tは温度[℃])となった。これは、前報で温度の影響が求められなくて得られた平均値0.0840cm2/minよりも精度が良い結果である。その理由は、熱電対の先端を薄い平板状試料の中心に挿入できないが、真の先端位置の推定を、誤差が最小になる位置と仮定することによって求めることができたためである。

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