口永良部島におけるシコクスズメダイChromis margaritiferとソラスズメダイPomacentrus coelestisの採餌生態

書誌事項

タイトル別名
  • Foraging Ecology of the Pomacentrid Fish Chromis margaritifer and Pornacentrus coelestis at Kuchierabu Island
  • クチノエラブジマ ニ オケル シコクスズメダイ Chromis margari

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抄録

小型のスズメダイ科魚類であるシコクスズメダイ Chromis margaritifer とソラスズメダイ Pomacentrus coelestis の採餌様式について潜水観察と胃内容物調査および飼育実験の結果から検討した。両種ともに水中の餌生物をついばむ'個別撰餌'と基盤上の藻類を噛み取る'はみ取り'が観察された。個別摂餌の観察頻度が両種とも70%を超えたが、ソラスズメダイでははみ取りも普通に観察された。胃内容物の分析では、両種とも浮遊性カイアシ類と藻類が主要な餌生物であった。胃中のカイアシ類の体長組成を両種間で比較するとシコクスズメダイはより大型のカイアシ類を利用した。ソラスズメダイは個別摂餌が不活発になるとはみ取りへ移行することが多かった。連続した複数回の噛む動作からなるはみ取りでは、個別摂餌が不活発な状態からはみ取りへ移行した場合に一続きのはみ取りの噛む回数が増加した。飼育実験の結果では、浮遊状態にある底生藻類の破片を摂食することは両種ともになかった。動物プランクトンの短期変動との関連においてこれら2種の採餌様式が議論された。

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