口永良部島におけるベラ科魚類の摂餌生態

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タイトル別名
  • Feeding Ecology of Labrid Fishes at Kuchierabu-jima
  • クチノエラブジマ ニ オケル ベラカ ギョルイ ノ セツジ セイタイ

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抄録

南西諸島口永良部島の磯水域において小型のべラ科魚類カミナリベラ属(Stethojulis)の3種、ハラスジべラ Stethojulis strigiventer、カミナリベラ Stethojulis interrupta terina、アカオビベラ Stethojulis bandanensis の成長に伴う食性変化を調査し、ニシキベラ Thalassoma cupido、ヤマヅキベラ Thalassoma lutescens、ツユベラ Coris gaimard のそれらと比較した。小型のベラ類のハラスジベラ、カミナリベラ、アカオビベラの全長約10cmまでの個体、ニシキベラの全長6cm以下の個体、及び中型のべラ類のヤマブキベラ、ツユベラの全長10cm未満の個体では、コペポーダ類、ヨコエビ類等の小型甲殻類が主な餌生物であった。これら小型個体の摂餌場所は小型藻類が繁茂している基質表面(微小藻場)であった。口永良部島の磯水域に生息する主なべラ科魚類において、全長約10cmを境として、それより小型の個体の重要な餌生物は徴小藻場に豊富に生息している小型甲殻類であることが明かとなった。これらのことは、ベラ科魚類において食性は口の大きさなどと関連する体長によって規定されていることを示している。

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