ミミズ食オサムシはミミズ以外の餌も利用するか? : アオオサムシを用いた飼育実験

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of the earthworm diet on larval development in the carabid beetle Carabus insulicola
  • ミミズショク オサムシ ワ ミミズ イガイ ノ エサ モ リヨウ スル カ? : アオオサムシ オ モチイタ シイク ジッケン

この論文をさがす

抄録

type:text

[要約] オサムシ属(甲虫目オサムシ科)の祖先的な幼虫食性は昆虫幼虫食であり,そこからミミズ食と陸貝食が進化した。これらの食性への進化はオサムシ属の多様化要因の一つであるが,それに伴う生理的な変化についてはほとんど研究されていない。本研究では,幼虫がミミズ食であるアオオサムシ(オオオサムシ亜属)において,祖先的な餌である昆虫幼虫の摂取が成長パフォーマンスに与える影響を調べた。ミミズ,昆虫幼虫(ミルワーム+ウジムシ),ミミズ+昆虫幼虫の各餌での幼虫飼育によって以下の結果を得た:(1)昆虫幼虫は摂食するものの,全個体が蛹化せずに死亡する;(2)昆虫幼虫の添加(ミミズ+昆虫幼虫餌)は,成長に正の効果は与えない。これらの結果は,ミミズ食でも部分的に昆虫幼虫餌を利用する近縁種(オサムシ亜属の一部)とは対照的であり,アオオサムシ幼虫のミミズ食への生理的適応が極致に達していることを示唆している。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ