スペイン植民地前期におけるミチョアカンのタラスコ先住民と二重経済 : 先住民の人頭税に見られるスペイン重商主義の機制

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タイトル別名
  • The Tarascan People of Michoacan and the Dualistic Economy during the First Period of the Spanish Colonial Era : The Mechanism of the Spanish Mercantilism in the Poll Tax on Indigenous People
  • スペイン ショクミンチ ゼンキ ニオケル ミチョアカン ノ タラスコ センジュウミン ト ニジュウ ケイザイ センジュウミン ノ ジントウゼイ ニ ミラレル スペイン ジュウショウ シュギ ノ キセイ

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抄録

エルナン・コルテスによるメキシコの征服は、アステカの征服だけではなく、アステカと敵対していた他の先住民社会にも及んだ。メキシコ北西部のミチョアカンを支配領域としていたタラスコ人の先住民社会は、その一例である。植民地支配開始とともに、スペインの度量衡と貨幣経済が導入された。先スペイン期の貢納制が漸進的に解体され、征服から半世紀を経て、人頭税の金納化への移行が実施された。征服から17世紀前半に至る時期におけるタラスコ先住民社会をてがかりに、税の金納化に込められたスペイン重商主義の機制について考察する。その狙いとは、先住民を貨幣経済に統合することではなく、レパルティミエント(有償の強制労働徴発制度)と税の金納化を連動させ、植民地の経済活動の中で最も利潤が高い鉱業へと彼らの労働力を集中させることだった。その果実はスペインやフィリピンに流出し、ひいては世界経済を潤すことになった。

収録刊行物

  • 研究論集

    研究論集 109 31-47, 2019-03

    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部

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