国語・運動会・唱歌を通した国民意識の形成 : 国民意識の客観的把握をめざす中学校社会科の単元開発と実践

書誌事項

タイトル別名
  • Constitution of National Consciousness Through National Language, Athletic Meet and Songs : Unit Development and Practice of Junior High School Social Studies for Aiming Objective Prehension of National Consciousness
  • コクゴ ・ ウンドウカイ ・ ショウカ オ トオシタ コクミン イシキ ノ ケイセイ : コクミン イシキ ノ キャッカンテキ ハアク オ メザス チュウガッコウ シャカイカ ノ タンゲン カイハツ ト ジッセン

この論文をさがす

抄録

type:text

[要約]本稿では,グローバル化という大きな時代転換期の中で,国民国家という枠組みの揺らぎも見える現代社会において,生徒が自明視してきた国民意識を客観的に把握する視点を獲得することを目的に,中学校社会科歴史的分野の単元開発を行った。実験授業を通して,生徒たちは明治期の諸政策(標準語政策・運動会・唱歌教育)の意図を理解し,生徒たちが自明のものとして捉えていた国民意識や諸制度が,多様な意図をもって歴史的に構築されてきたものであることに気付くことができた。これを可能にした要因の一つは,きびしい転換の時代の中で生を営んだ,当時の人々の立場にたって理解しようとする姿勢を,多少なりとも生徒が持ち得たことにあるだろう。その一方で,本実践が対象とした時代の民衆世界は重層的で多様な広がりをもっており,生徒自身が,当時の人々の立場をより豊かにイメージするための授業の構想・教材の選定や授業内での助言のあり方については,課題が残された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ