第2言語および外国語としての日本語学習者における動機づけの比較 : 韓国人日本語学習者を対象として

書誌事項

タイトル別名
  • The Difference of Motivation between Korean Learners of Japanese as Second Language and Japanese as Foreign Language
  • ダイ2 ゲンゴ オヨビ ガイコクゴ ト シテ ノ ニホンゴ ガクシュウシャ ニ オケル ドウキヅケ ノ ヒカク カンコクジン ニホンゴ ガクシュウシャ オ タイショウ ト シテ

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説明

習得に長い年月を要する外国語学習にとって、動機づけはきわめて重要な要因であるため従来から盛んに研究が行なわれている。しかしながら、学習環境の異なる、外国語としての日本語(JFL:Japanese as Foreign Language) や第2言語としての日本語 (JSL:Japanese as Second Language) を学習する学習者の動機づけの比較や動機づけと学習達成度(学習効果)の関係、または、動機づけによって学習態度がどのように異なるのかといった、動機づけに関する諸要因との関連を扱っている研究は少ない。 本稿は、JSL環境の日本における韓国人の学習者139名とJFL環境の韓国における韓国人の日本語学習者164名を対象に、日本語学習の動機づけと、動機づけを高める要因(学習へのとり組み方、日本語能力の自己評定)や経験要因(滞在期間・滞在経験・訪日経験)との関連性を検討したものである。 分析の結果、JFLの学習者はJSLの学習者より動機づけが高いことが明らかになった。しかしながら、動機づけを高める要因の一つである、日本語能力の自己評定はJSL学習者の方が高かった。また、経験要因はこの自己評定に影響を与えることで、間接的に動機づけを高めることが示唆された。このことにより、JFLの学習者が動機づけは高いのに動機づけが持続しない理由が明らかになった。その理由の一つは、JFLの学習者はJSLの学習者に比べて、自己効力感を感じにくいということである。したがって、本研究で明らかになったJFLの学習者の高い動機づけを持続させるためには、JSLの学習者のように、学習者が自己効力感を感じやすいような環境作りが必要であると考えられる。

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