ビデオ会議システムを介した遠隔接触場面における言語管理:「turn-taking」と処理過程をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Distant Contact Situations Mediated by a Video-conferencing System
  • ビデオ カイギ システム オ カイシタ エンカク セッショク バメン ニ オケル ゲンゴ カンリ turn taking ト ショリ カテイ オ メグッテ

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説明

従来、接触場面の研究は母語話者と非母語話者が同じ空間を共有している対面の場合に集中していたが、マルチメディアやネットワークなどの技術的発展に伴い、日本語学習者の参加する接触場面が「対面場面」に加え、新しい「遠隔場面」にまで幅を広げてきている。近年、新しいコミュニケーション・ツールとして期待されているものに「ビデオ会議システム」というパソコンを介した双方向の通信映像システムがある。 本稿は、このようなシステムを介した遠隔接触場面には、どのようなインターアクション問題が存在し、参加者にいかに認識され、いかに管理されているのか、その言語管理のプロセスに注目したものである。遠隔接触場面の特徴を明らかにするために、談話分析の方法を用い、turn-takingの観点から対面接触場面との比較を行なった。遠隔接触場面の場合、時間的ずれが存在するため、turn-takingが上手くできず、同時発話や不自然なポーズになってしまう可能性が高いからである。 分析の結果、遠隔接触場面においてturn-takingと関連するインターアクション問題がより多く発生し、言語管理が行なわれていたことが明らかになった。また、インターアクション問題に対する調整遂行の役割は日本語学習者より母語話者が、そして中級学習者よりは上級学習者が積極的に行なっている傾向が示され、turn-takingの問題処理においては非母語話者の習得レベルより接触場面の種類が深く関連していたことも確認された。

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