The Realization of Desired Courses as a Small Success Experiences
Bibliographic Information
- Other Title
-
- 小さな成功体験としての希望進路の実現―夜間定時制高校における就職指導―
Description
夜間定時制高校の生徒は、何らかの事情で全日制高校に入学できなかったか、入学しても 続けることができなかった生徒がほとんどである。したがって挫折を経験した彼らが、夜間 定時制高校を受験し、入学、そして通学しようとするには、それなりの決意が必要だったと 想像できる。そんな生徒たちが夜間定時制高校に通い続け、卒業できるとすれば、それだけ で特別な喜びがある。 しかし実際には、卒業しただけで、在学中に何の就職活動もせずに終わってしまう生徒も 珍しくない。こういった生徒たちは、社会に羽ばたくことなく、引きこもりのような状態に なってしまう可能性があるのではないだろうか。また、進学する生徒もいることはいるが、 学力的な問題だけでなく、家計をめぐる状況が、進学の道を断念させてしまうことも少なく ない。 筆者は青森県の元高校教員であり、本稿は夜間定時制高校で、進路指導主事と3年次担任 を兼任したときの教育実践を、就職指導を中心にまとめたものである。生徒たちが学校生活 のなかで他者とふれあい、人間性を回復し、小さな成功体験を積み重ねた先に、希望進路の 実現がある。 就職希望者は、春先の進路志望調査から三者面談、企業見学会、応募書類の作成、面接練 習などをへて就職試験にのぞむことになる。この間の就職指導は、行政が行っている補助な ど、可能なものはできる限り利用し、管理職もふくめた同僚の先生方と、ハローワークの学 卒担当者などの応援を受け、多くの人たちにささえられた取り組みだった。 進路指導は、最終的には生徒たちが、自立への第一歩を踏み出すことを目的としている。 そのためには形だけをこなすのではなく、あきらめず、できるだけ生徒に寄りそい、きめの 細かい進路指導をこころがけた。そして、教えあい学びあうクラスづくりが軌道にのった結 果、すべての生徒が進学、就職試験にのぞみ、進学希望者は2人とも大学に合格、他の就職 希望者も全員が内定を得ることができたのである。
Journal
-
- 立正大学教職教育センター年報
-
立正大学教職教育センター年報 (1), 101-110, 2020-03-01
立正大学教職教育センター
- Tweet
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1390572174846720512
-
- NII Article ID
- 120006876807
-
- HANDLE
- 11266/00007680
-
- ISSN
- 24355321
-
- Text Lang
- ja
-
- Article Type
- departmental bulletin paper
-
- Data Source
-
- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
-
- Abstract License Flag
- Allowed