エンロン事件と米国のコーポレートガバナンス改革

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タイトル別名
  • The Collapse of Enron and the Reform of Corporate Governance in U.S.
  • エンロン ジケン ト ベイコク ノ コーポレートガバナンス カイカク

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米国エネルギー大手,エンロン社は,経営陣の指示による巨額な粉飾決算の結果,2001年12月に経営破綻した。そしてこの事件直後,米国大企業に類似した粉飾決算が複数発覚する。米国で続発した企業不祥事の基本的背景は,経営執行者の不正行為に対してのブレーキ機能が作動しなかったことだ。企業事件の続発後,米国行政当局と証券監督機関は,コーポレートガバナンス改革に向け,これまでにない厳しい対応策を打ち出した。ところで日本でも,山一証券事件をはじめ数々の粉飾決算と企業破綻を経験している。しかし,日本では,企業不祥事に対する本格的対応が遅れている。証券監督機関も,経営監視に向け厳しい姿勢を取ることになお消極的だ。経営者指示による企業不祥事件の再発は,日本でも十分考えられる。本格的な企業改革に早く取り組む必要がある,という点が,今回のエンロン事件の,我が国への教訓といえよう。

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