The Economic Policy and Tourism Policy of Abe Administration

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  • 安倍政権の経済政策と観光政策 : アベノミクスと石川県の観光政策との関連で

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1985 年のプラザ合意による円高ドル安基調のなかで,日本の基幹産業である輸出産業,とりわけ自動車産業は,生産拠点の海外移転を余儀なくされ,経営合理化を押し進めた結果,高品質で競争力の高い製品づくりの体制へシフトすることに成功し,平成景気を享受した。しかしながら,株式投資と土地投機が進み,総量規制が発表されると,1992 年,バブル経済は崩壊した。それ以来,日本経済は長期の経済停滞期に入った。その後,規制緩和,郵政民営化など大胆な改革を行なった小泉首相(当時)は,2003 年,「観光立国」宣言を行い,「ビジットジャパン・キャンペーン」事業を打ちだし,観光産業の育成政策を開始した。2007 年,第1次安倍政権(2006~2007 年)は,「観光元年」を宣言し,「観光立国推進基本法」(2006 年)にもとづき「観光立国推進計画」を閣議決定した。中国個人観光ビザの発給開始などの施策に円安基調や格安航空便の導入が追い風となって,インバウンド(訪日外国人観光客)の数は急増し,第2次安倍政権(2012~2013 年)のもと,2013 年インバウンド1300 万人を達成した。さらに,2015 年1900 万人を達成した第3次安倍政権(2014~2017)は,2016 年,「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定した。2018(平成30)年10 月で,観光庁発足から10 周年を迎え,政府は,「観光立国」から「観光先進国」を目指して,観光産業を日本の基幹産業に位置づけられている。アベノミクスは,一言でいえば「デフレ脱却,円安政策を基調に置いたインフレ政策」によって,景気回復を企図し,重要な経済政策として「3本の矢」政策を提唱し,なかでも第3の成長戦略のひとつとして,観光産業の育成による経済成長に重点を置いて,景気回復を図ろうとしている。

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