宮崎演習林における樹木群集のα,β,γ多様度と標高との関係に地形が及ぼす影響

  • 明坂 将希
    九州大学大学院生物資源環境科学府環境農学専攻森林環境科学教育コース
  • 榎木 勉
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門森林環境科学講座
  • 鍜治 清弘
    九州大学農学部附属演習林
  • 山内 康平
    九州大学農学部附属演習林
  • 緒方 健人
    九州大学農学部附属演習林
  • 長 慶一郎
    九州大学農学部附属演習林
  • 田代 直明
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門森林環境科学講座
  • 菱 拓雄
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門森林環境科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of topography on the altitudinal patterns of alpha, beta and gamma diversities in tree communities of Shiiba Research Forest
  • ミヤザキ エンシュウリン ニ オケル ジュモク グンシュウ ノ a,v,gタヨウド ト ヒョウコウ ト ノ カンケイ ニ チケイ ガ オヨボス エイキョウ

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説明

九州大学宮崎演習林における樹木群集の標高に沿った種多様性の変化パターンに及ぼす地形の影響を明らかにするため,125 個の植生調査プロットから50 個を抽出するランダムサンプリングを行い,地域全体で推定される種数(γ多様度),地域内における各地点の種数(α多様度)および地点間の多様性すなわち地点間での種の入れ替わりの程度を示すβ多様度(β = γ/α)の変化を標高及び地形傾度に沿って解析した。γ多様度は標高が高くなっても減少せず,サンプリングされた標高範囲が大きいほど増加する傾向があった。このことから本調査地では標高傾度に沿って種の入れ替わりが生じているものの,寒冷ストレスは地域全体の種数を減少させるほど厳しくないことが示唆された。また,βおよびγ多様度は,サンプリングされた斜面傾斜角の範囲が大きいほど増加する傾向があった。このことから表層土壌の移動頻度などの斜面傾斜角に応じた攪乱体制の違いが地形傾度に沿った種の入れ替わりに寄与することが示唆された。

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