メキシコ革命期のユカタンにおける女子教育とフェミニズム会議

DOI 機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • La educación femenina y el Congreso Feminista de Yucatán durante la Revolución Mexicana
  • Women's Education and the Feminist Congress in Yucatan during the Mexican Revolution
  • メキシコ カクメイキ ノ ユカタン ニ オケル ジョシキョウイク ト フェミニズム カイギ

この論文をさがす

説明

ユカタン州で開催されたフェミニズム会議は、カトリック教会が支配していた社会規範を壊し、新しい女性像、新しいジェンダー規範を形成する方策として教育のあり方を討議する女子公教育会議という性格を有している。フェミニズム会議は、メキシコの近代化とディアス大統領の反再選運動に端を発したメキシコ革命、社会変革への動きのなかで、メキシコの近代公教育をどのように構築すべきかを議論する全国初等教育会議、さらに教育芸術省がなくなったあとにベラクルス、タバスコ、ユカタン州などの各州で開催された一連の教育会議に連なるものである。護憲派の州知事アルバラドの諮問に対する議論は、アルバラドの意図に必ずしも沿うものではなく、条件つきの女性参政権と公立学校への合理主義教育の導入だった。しかし、宗教と分離した公教育が支持を得、その方策が具体的に検討され、後に1917年憲法において公教育からのカトリック教会の排除へつながる方向が確定した。また、優生学的立場から、公教育における性教育への問題提起がガリンドの演説により喚起された。性教育に対しての拒絶反応は強く、直ちに取り下げられた。また、女子公教育の概念を形成する上でも重要な議論が展開された。フェミニズム会議は、メキシコの第一波フェミニズムに先鞭をつけ、その後のフェミニズム運動の指針を示すものとしても大きな意味を持っていることは、さまざまな女性学研究の成果を見てもあきらかであるが、同時に公教育におけるジェンダー規範を形成する上で果たした役割も大きい。

収録刊行物

  • 言語文化

    言語文化 8 (2), 229-259, 2005-12-31

    同志社大学言語文化学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ