シャブオートの典礼におけるユダヤ教とキリスト教の論争

書誌事項

タイトル別名
  • A Jewish Christian debate in the liturgy for Pentecost
  • シャブオート ノ テンレイ ニオケル ユダヤキョウ ト キリストキョウ ノ ロンソウ

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説明

シャブオートのピユート(典礼詩)には、初期の父祖たちがリストアップされ、彼らにトーラーを与えることをトーラー自身がまた天使たちが拒むというモチーフがある。これは一つには、トーラーを受けたモーセや割礼を初めて行ったアブラハム以前の父祖たちも義であることを理由に割礼などの戒律は不要だと主張するキリスト教側への論駁であろう。他方、こうしたピユートは、ラビ・ユダヤ教が対立していたはずの神秘主義文学シウール・コマとの並行関係がみられる。これより、ピユートには、キリスト教と対峙する標準的なユダヤ教の側面と、標準的なユダヤ教が対峙していたシウール・コマなどの神秘主義的な側面という、相反する側面を有していたことを意味する。

収録刊行物

  • 基督教研究

    基督教研究 78 (1), 1-15, 2016-06-21

    基督教研究会

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