擦式エタノール消毒剤を併用した短時間手術時手洗い法の有効性の検討 : ヒュールブリンゲル変法と1回ブラシ法・手もみ洗い法の比較から

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  • サツシキ エタノール ショウドクザイ オ ヘイヨウ シタ タンジカン シュジュツジ テアライ ホウ ノ ユウコウセイ ノ ケントウ ヒュールブリン ゲル ヘンポウ ト 1カイ ブラシホウ テモミ アライ ホウ ノ ヒカク カラ
  • サッシキ エタノール ショウドクザイ オ ヘイヨウ シタ タンジカン シュジュツジ テアライホウ ノ ユウコウセイ ノ ケントウ ヒュールブリンゲル ヘンホウ ト 1カイ ブラシホウ テモミアライホウ ノ ヒカク カラ

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本研究は、ヒュールブリンゲル変法と短時間手術時手洗い法(1回ブラシ法・手もみ洗い法)の手指細菌数と細菌陰性症例を比較検討した実験研究の報告である。当院では現在、手術時手洗い法としてヒュールブリンゲル変法を実施しているが、ブラッシングによる皮膚損傷に伴う交差感染のリスクも指摘されている。一方、短時間手術時手洗い法は、手洗い時間の短縮・コスト削減・皮膚の保護という利点があり、消毒効果・持続効果ともにヒュールブリンゲル変法よりも優れていることが報告されている。そこで、当手術室看護師を対象にパームスタンプ培地を用い、手洗い直後、3時間後の手指細菌総数と細菌陰性症例について3法間の比較検討を行った。その結果、ヒュールブリンゲル変法・1回ブラシ法・手もみ洗い法では手指細菌総数に有意差は認められなかった。手指細菌総数の平均値と標準偏差を求めると、ヒュールブリンゲル変法は1回ブラシ法・手もみ洗い法に比べ平均値・標準偏差ともに高く、短時間手術時手洗い法の有効性が証明された。また、ヒュールブリンゲル変法と短時間手術時手洗い法である1回ブラシ法と手もみ洗い法の細菌陰性症例を比較すると、1回ブラシ法はヒュールプリンゲル変法と手もみ洗い法に比べ有意に多く、1回ブラシ法が有用であるという結果を得た。また、手洗い時間を比較するとヒュールブリンゲル変法の10分から、短時間手術時手洗い法は4分に短縮する事ができた。コスト面を比較すると、ヒュールブリンゲル変法で再滅菌ブラシを3個使用するのに対し、1回ブラシ法でデイスポブラシを1個使用に変更すると、年間約307万円の減額となることがわかった。

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