日本語版攻撃的行動に対する態度尺度(J-ATAS)の信頼性と妥当性:日本の認知症ケアにおける適用可能性の検討

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タイトル別名
  • ニホンゴバン コウゲキテキ コウドウ ニ タイスル タイド シャクド(J-ATAS)ノ シンライセイ ト ダトウセイ : ニホン ノ ニンチショウ ケア ニ オケル テキヨウ カノウセイ ノ ケントウ

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抄録

本研究では、ヨーロッパ5 カ国4 言語で信頼性と妥当性が検証されたthe Attitudes Towards Aggression Scale(ATAS)の日本語版(J-ATAS)を作成し、その信頼性と妥当性を検討し、本邦の認知症ケアにおける適用可能性について考察した。主成分分析の結果、J-ATAS は英語版の5 因子構造とはならず、3 因子構造を示した。また、内的整合性の評価では、第1 因子においては概ね良好な値が得られたが、 第2 因子では十分とは言えず、第3 因子に関しては低い結果しか得られなかった。さらに3 つの因子の相関パターンは、‘否定的態度’と‘肯定的態度’の2 つに分かれる可能性が示唆された。以上のことから、現段階におけるJ-ATAS は、ATAS の日本語版として本邦で活用するには、十分な信頼性・妥当性を有しているとは言えない結果となった。認知症の人の攻撃的行動に対する我が国のスタッフの態度を測定するには、J-ATAS およびその開発プロセスの課題を踏まえた新たな尺度を開発する必要がある。

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