Distribution and environmental conditions of Kalanchoe pinnata as an invasive alien species on the Okinawa Island, southern Japan

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  • 沖縄島における外来種セイロンベンケイの分布と立地環境

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外来種のセイロンベンケイは,南西諸島において薬用や園芸用として広く利用されてきたが,野生化した個体の分布や生態については明らかにされていない.本研究では,沖縄島本部半島におけるセイロンベンケイの分布と立地環境を検討した.セイロンベンケイは,中生代と第四紀の石灰岩地域の人工改変地と,わずかに中生代石灰岩地域に位置するカルスト丘の自然裸地に分布した.中生代石灰岩地域は,山地であり森林で覆われることが多く,第四紀石灰岩地域は平坦地であり宅地や畑地などの人工改変地が多い.生育地の分布は,地質ごとの土地利用の違いにより規定されていると考えられた.日射量と土層の厚さに着目して生育地の立地環境をみると,日射量(地点の日照時間/可照日照時間)は,約7割の生育地が70.0%以上であった.土層の厚さでは,自然裸地4.7cm,人工改変地2.4cmであり,土層が薄いほど生育地数は増加した.これらの結果は,セイロンベンケイの生育地が日射量は高いが土層は薄い環境下にみられることを示唆している.セイロンベンケイは他種との環境をめぐる競争を避けているようで,在来種の生育地を侵略する可能性は低いだろう.

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