初期近代における読書と思想: ロバート・ボイルの化学的原子論の場合

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  • ショキ キンダイ ニ オケル ドクショ ト シソウ : ロバート ・ ボイル ノ カガクテキ ゲンシロン ノ バアイ

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ボイルが現実に手元において使った書物を明らかにするため、第1に私 自身が『ボイル著作集』『ボイル書簡集』の全体にわたる引用分析を行 い、第2 にブルガリア人科学史家アヴラモフ並びにロンドン大学歴史学教 授マイケル・ハンターとの共同研究により王立協会ボイル草稿の全体をも 分析対象として解析を行った。こうした分析結果と初期近代における読書 習慣の研究成果に基づき、ボイルの化学的原子論は、ゼンネルトの『自然 学覚え書き』(Hypomnemata Physica, 1636)における質的原子論から出発 し、ガッサンディの厳密な原子論へと展開したことを論じた。さらに、 「ミニマ・ナチュラリア」の伝統にたつゼンネルトの質的原子論において も、「分子」を導入したガッサンディの原子論においても、化学的現象の 説明のための化学的粒子の想定が基本にあることを指摘した。

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