カンキツ新品種‘オーラスター’

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タイトル別名
  • New Citrus Cultivar ‘Aurastar’
  • カンキツ シン ヒンシュ'オーラスター'

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抄録

<p>‘オーラスター’は1994 年に農林水産省果樹試験場興津支場(現(国)農研機構果樹茶業研究部門カンキツ研究領域)において,カンキツ属とカラタチ属の属間雑種H・FD −1 に‘晩白柚’を交配して育成された品種である.CTV に対して強い抵抗性を有し,機能性成分であるオーラプテンを果肉・果皮共に高含有するため加工用品種・育種素材として有用であると評価,選抜され,2012 年5 月24 日付けで,種苗法に基づき,第20789 号として品種登録された.‘オーラスター’の樹勢は強く,樹姿は直立性である.葉は大きく,ほとんどが三出複葉となる.果実は扁球形で育成地では概ね400 ~450g で平均420g 程度である.果皮は黄橙色,厚さは14mm 程度で,剥皮性は難である.果肉は黄色で比較的柔らかく,果汁量は中程度である.クエン酸含量が高く,酸味が強い.カラタチ特有の臭気はほとんどない.そうか病には強く,かいよう病にはやや弱いと考えられている.また,CTV に対して強い抵抗性を有しており,単胚性のため,CTV に対する抵抗性品種育成のための育種親としての利用が可能である.果肉・果皮共に食用可能なカンキツ品種としては高濃度のオーラプテンを含有する.‘オーラスター’は果実の成熟が3 月中下旬となることから,冬季に温暖な地域での栽培が望ましい.</p>

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